【問題作】全てのアパレルスタッフに読んで欲しい:あるセレクトショップで実際にあった話です

なんだかなぁ

おはようございます・こんにちは・こんばんは、イカリー・カーターです。
今回は、つい先日都内の大型商業施設にある大手セレクトショップを訪れた際に実際に体験した話をシェアしようと思います。
僕には行きつけの洋服屋さん、いわゆるセレクトショップが何件かありまして、そこのスタッフさんにはいつも素晴らしい買い物体験をさせていただいているのですが、こんなお店も(少なくなっているとは思いますが)まだありますので、注意喚起と、アパレルショップで働いている方々に客側のリアルな気持ちをお伝えできればと思います。

カーター
カーター

ときどき口調が荒っぽくなりますが、楽しんで読んでください笑

前提

  • 目的はその大手セレクトショップがオリジナルで販売しているダウンジャケットのサイズ感を確認したい(数年前に同モデルの旧型を購入して気に入っていたが、もっとゆったりしたサイジングでの買い替えを検討中)
  • 他社でも同価格帯、同スペックの商品があり、他社競合製品も試着して決めたい
     表地:東レ社・帝人社等の生地メーカーが開発した高機能素材
     中綿:ALLIED社・西川社等の700~750フィルパワーのダウン
     混率:ダウン90%、フェザー10%(いわゆる黄金比)
     価格:30,000円~40,000円
  • 上記のとおり、各社オンラインサイトにて他社競合製品とのスペック比較はかなり詳細に実施済
  • お目当ての商品は、オンラインの在庫に余裕がありそう(各サイズ「在庫あり」)なこと、店舗の在庫も、Lは「在庫あり」・XLは「残りわずか」であることを確認済
  • このセレクトショップでは1週間後くらいから10%オフキャンペーンが実施される旨メルマガ等で告知されている
カーター
カーター

比較的よくあるシチュエーションではないでしょうか。

この前提で、以下ショップでの一部始終をお楽しみください。

大手セレクトショップで経験した出来事

ショップに入り、まずは入り口付近にあった某有名ブランド(どのアイテムも完売が早い)のパンツを見ていると、

店員
店員

そのパンツ、サイズ3だけはまだギリギリご用意できますよ!

カーター
カーター

はぁ…

一応さりげない感じだけど、いきなりすぐなくなりますよアピールですか…先が思いやられますね笑
そして、お目当てのダウンを見つけて手に取ってみると…

店員
店員

そのダウン、うちのオリジナルで作ってるんですけど、すごいクオリティ高くて、表地は東レの高機能素材使ってて、中綿もALLIED社の700フィルパワーのダウン使ってるんで、700フィルパワーだともうカナ○グースとかと同じですからね!このスペックで30,000円代は他では絶対出せないですよ!!!

うん、クオリティ高いのは同意です。知ってます。持ってますから。
あと、客が無知であることを前提とした他社比較の誇大広告も、こちとらファッションYouTuber警察やってるんで慣れてます。まったくの同価格で、750フィルパワーの商品が他社から出ているのもリサーチ済ですが、ギリ聞き流せます笑

カーター
カーター

↓実物を確認しましたが、これらは同スペックですよね。






しかし、フィルパワーが同じってだけで、いかにもすべてカ○ダグースと同スペックみたいな感じでアピールしてくるのは倫理的にまずいんじゃないでしょうか…それなら無印良品のインナーダウンも700フィルパワーですしね笑
この時点でかなり「なんだかなぁ…」とはなっていますが、とりあえずサイズ感が見たいので、他社リサーチ済であることは伏せて、旧モデルを持っていることだけ知らせておくことにしました。

カーター
カーター

そうっすよね。クオリティ高いし、かっこいいっすよね。

実は何年か前のモデル持ってるんですけど、もうちょっとゆったりしたサイズで買い替えるのもありかなぁと思いまして。

その時は表地ダーミザクスだったと思うんですけど、今回変わってますよね?

店員
店員

そうですね~変わってますけど、こちらも同じ東レの高機能素材ですね。よかったら袖通してみるだけでもいかがですか?

普通のショップなら、旧モデル買ったって言った時点で、「あー、ありがとうございます」の一言があるんですけど…それで気分を害することは決してありませんが、「この人は今日明日の売上しか考えてない店員なんだなぁ」とは判断してしまいますね。
それよりも、あれだけ最初にアピールしてきたのに、表地の素材がどう進化したのか説明してくんねーのかよ!と思いました。というか、説明できないだろうなという感じを受けたので聞くことはしませんでした。
ともあれ、試着するだけでいいって言ってもらえたので、まずはLサイズの試着をお願いすることに。

カーター
カーター

やっぱりいいっすよね。かっこいいっす。

店員
店員

ですよね~。おそらく旧モデルとはポケットとか、細部のディテールが改善されていますね。よかったらXLも着てみますか?

カーター
カーター

お願いしてもいいですか?

店員
店員

お待たせしました。あ、これ、LもXLもラスト1点でしたね~、どうぞ。

カーター
カーター

ありがとうございます。あ~XLの方が中に着込んだりもできるんでいいですね。

店員
店員

そうですね~、僕もこのくらいのサイズ感でばさっと着ちゃいますね~。やっぱり黒が断然売れるの早いんですよね。今日ももうSサイズが1着売れましたしね!これは動き早いっすね~しかもXLは作ってる数が相当少ないんですよ~

カーター
カーター

どうしようかなぁ(オンラインの在庫確認済だしここでは決めないけど、一応悩んでいるふりをして…)…ありがとうございます。ちょっと検討させていただきます。

店員
店員

え?いいんですか?ラス1ですよ?これ動き早いですよ?キープしなくてほんとに大丈夫ですか??

カーター
カーター

(マジでくそうぜぇ…)ありがとうございます。大丈夫です。

僕がそう告げると、店員はそそくさと出してきたダウンを片付け始めました。着替え終わった僕が再度、

カーター
カーター

ありがとうございました。

と声をかけると、

店員
店員

ふぁーぃ…

と、マンガみたいな手のひら返しの真顔で言い放たれました。「買わねーなら早く帰れよ」と言わんばかりの表情・口調だったので、イヤホンを耳に突っ込んでそそくさと店を出ました。

カーター
カーター

(おめー試着だけでもいいって言わなかったか?おい)

正直なところ、最後の手のひら返しはマジでむかつきましたけど笑、それ以外の部分は腹が立つというよりも、むしろ

カーター
カーター

こいつまじでかわいそうな奴だなぁ…

と、ずーっと思っていました。というのも、

  • 他社には作れないってウソついてるのも
  • フィルパワーだけで高価格帯のダウンと同スペックって思わせようとしているのも
  • 客が求めている自社製品のスペックの詳細が頭に入っていないのも
  • なんでもいいからとにかく売っちまえって思っているのも
  • 1週間後のキャンペーンを隠していることも

全部客にばれていて、僕みたいな奴に半笑いでバカにされながら全部聞き流されてしまっているんです。これはかわいそう笑
ちなみに、接客中にちょこちょこ他の店員に指示を出していたので、そのショップの中でもそこそこ上の立場の人だと思われるんです。

カーター
カーター

店舗数が縮小傾向なのも納得ですね。

世の中のすべてのアパレルショップスタッフさんへ

今回の貴重な体験を受けまして、ショップスタッフさんに向けてアドバイスをさせていただきます。
ショップスタッフさんはファッションに関するプロだと思いますが、僕たちは客という立場のプロなので(意味不明w)、その立場で上から2点アドバイスさせていただきます笑

ショップに来る客は思っているよりも情報を持っている

これだけ様々な情報にアクセスできる時代なので、情報なしで飛び込みで店に入ってくるお客さんはほぼいないと考えてよいと思います。
大多数の人が、オンラインサイトにて商品を確認済で、ショップに実物を確認しに来ていて、調子がよければそこで購入するし、もうちょっと検討したければオンラインで購入するという人だと考えて問題ないかと思います。(極論)
また、今回のように、お得に購入できる情報もすべてインプットされていると考えた方がよいです。そのため、オンラインと実店舗で価格が異なる(特にオンラインの方が安い、限定のクーポンがあるなど)場合、お客さんは実店舗では購入しないです。
インプット済の商品情報を店頭で再度説明いただくのは特に問題ありませんが(普通の人は初めて聞いたリアクションをしてくれると思います笑)、今回のように騙すように故意に説明をしないといったことをするのは(基本的にばれているので)やめましょう。

カーター
カーター

ていうかお客さんからしたら、そっちが割引するって言ってんじゃねーかよって話なんです笑

その時の売上を過度に追い求めない

具体的に言うと、客は試着して購入しなかったときのスタッフのリアクションをめちゃくちゃ見ています。今回のような極端なケースは論外としても、帰り際に「人気商品なのでお早めにご検討ください。お待ちしております」といった趣旨のことを言われる方も多いと思います。
親切心で言っていただいていることは十分理解したうえで申し上げますが、これもやめた方がいいです。試着している時点で人気なのはもう聞いていますし、そこで購入しなかった時点で売り切れたら諦める腹は決まっています。はっきり言って購入を焦らされているという印象しか残りません。
「後日気になったら電話でもSNSでも問合せいただければ取り置きもできますので、じっくりご検討ください。」の方がはるかに気持ちがいいです。
なぜこんなことを主張しているかというと、この一瞬でそのショップに今後再訪するかどうかが決まると思うのです。ここで変に押しが強すぎたりすると、完全に購入を決めた状態でない限りそのショップに再訪することはなく、同じ商品を置いている他のショップに行こうとなってしまいます。そしてこれは、将来的にショップにとって結構な損失なんじゃないかなぁと思います。
逆に、ここで気持ちよくお客さんの判断にゆだねてくれるようなショップだと、

あ、今度はあの店で買い物しよっと

と、思うものです。

カーター
カーター

お客さんも人間なんでね笑

最後に

いかがでしたでしょうか。今回の体験で改めて思ったことは、

現代では商品自体のスペックで差別化を図ることはもはや難しく、消費者はなにを買うかに加えて「誰から買うか」を重要視している。また、その商品にのみ対価を支払うわけではなく、購入の際の「体験」にも対価を支払っている

ということです。色々なところで述べられていて、既に現代の常識になっていると思いますが、これが分かっていないと淘汰されていってしまうんだなぁということを改めて感じました。
ただ、冒頭でも申し上げましたが、僕がよく行っているショップではいつも素晴らしい買い物体験をさせてくれるので、皆さんもこれを読んで自分が本当に満足できるショップを見つけていただけると嬉しいです。

カーター
カーター

マジで、プロダクトのクオリティは高いんだけどなぁ…

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